全国旅手帖伊賀焼 三田窯(いがやき みたがま)/伊賀焼

伊賀焼 三田窯 [いがやき みたがま]


JR伊賀上野駅

JR伊賀上野駅前の郵便局を通り過ぎ徒歩約5分、細い路地の一画に「三田窯」はあります。
通りを挟んだすぐ向かいには穴窯があり、大量の薪と煙突、風情ある佇まいの「作古庵」といった風景に、にわかに陶産地へ降り立った実感が湧いてきます。

窯に薪をくべる谷本貴氏
1年に4〜5回ほど焚くという15年ほど前に作られた穴窯。やきものに灰が降りかかるのと同様に窯にも灰が付着し汚れてしまうのが普通なのだそうですが、不思議なことに内側・外側とも灰がこびり付くことなくきれいなまま。
窯の横にはびっしりと薪が積まれていました。一度に250〜300束(1束30〜40kg)使用、写真の薪で必要量の半分程度…。
工房で見つけた大型の手回しろくろ(写真右上)。台の端に小さな穴があり、そこに棒を指して回転させます。
  ■谷本景氏の作品

伊賀耳付花入れ

貝殻の上に寝かせて焼いたもので、横に走るビードロの流れと火色のバランスが絶妙、美しい景色を醸し出しています。
伊賀茶碗

景氏独特の表現力は桃山伊賀を超えた強い力と品の良さを併せ持つものです。

伊賀ビードロ釉大鉢

力強い造形美とビードロ釉のバランスがすばらしいです。

造形美あふれた花入
長皿
パリで版画なども学んだ表現の豊かさが、この長皿にも活かされています。伊賀焼の中にあって、ひときわ目を引く作品です。
「芸術として新しい<美>を追及していかなければならない」と語る景氏。現代、そして未来の「陶芸」を案じ、職人=技術だけの世界に縛られない作品作りを目標としながら、伝統の重要性を認識しおろそかにすることのない景氏の誠実な姿勢が伝わってくる、凛とした美しさが漂う作品が並んでいました。


■作家紹介―谷本 景 (たにもと けい)
<略歴>1948年三重県伊賀市に生まれる。1970-1972年美濃にて日根野作三、加藤仁氏に師事。1972-1973年伊賀三田窯にて作陶。1973年西欧10カ国美術研修。パリ在住。1973-1975年ウィリアム・ヘイターのアトリエ17にて銅板図を学ぶ。1974年イビサ版画展出品(スペイン)、オーブアベ版画展出品(パリ)、ジェノバ版画展出品(イタリア)、セラミック・アトリエ・アキラ創設(パリ)。1975年マイアミ版画ビエンナーレ出品(アメリカ)。1976年アトリエ17展(アメリカ)、アトリエ17展(バンコック)、陶芸個展(パリ)。1977年フェスルバル・ド・ジャポーン展出品(パリ)、帰国後三田窯継承。1978年個展(三越・東京)以後個展多数。1991年伊賀・信楽展(香雪美術館)1994年伊賀陶芸会展(三重県立美術館)2000年「やきもの探訪」出演(NHK)。2003年工芸家の大正・昭和・平成展(三重県文化会館・津)。2004年現代茶陶展(サン・ギャラリー住恵・名古屋)。2007年器と花の出合展(柿傳ギャラリー・東京)。



「作古庵」:谷本景氏の長男・貴氏のギャラリー
「三田窯」に併設された谷本貴氏のギャラリー。外観は、伊賀上野の風景にしっくりと馴染む古風な日本家屋。
JAZZコンサートも催される室内はアンティーク家具や手織りのテキスタイルでオリエンタルな雰囲気。
 ■谷本貴氏の作品

具象的な形の中に、素材である土そのままの未形成な質感が残る独創的な造形が特徴的。
写真右は貴氏自筆のダイナミックな箱書き。
現代の伊賀焼を目指し個展を中心に活動する貴氏。伝統的な伊賀焼の器のほかポットやピッチャー、オブジェなど多彩な展示内容です。

  ■谷本貴氏 略歴
1978年
1997年
2002年
2003年
2005年
谷本景氏の長男として生まれる
同志社大学文学部入学
京都府立陶工高等技術専門校入学
森正氏に師事
岡田文化財団の奨学金を得てイタリアへ渡る
DATA
住所 三重県伊賀市三田1113
TEL 0595-21-4184
OPEN
休業日
料金
アクセス JR伊賀上野駅下車、徒歩5分。

※掲載情報は変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください


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