大堀相馬焼 (おおぼりそうま) 

 川沿いにのどかな里山が広がる、福島県双葉郡浪江町。 ここが、300年の歴史をもつ大堀相馬焼のふるさとです。
 相馬と聞けば相馬駒焼との違いが気になるところですが、大堀焼は、相馬藩窯であった相馬駒焼の田代窯に対して、民窯として出発した窯場です。 かつては東北地方でもっとも大きな産地をなしていました。 近年は、伝統的な「走り駒」の絵付や、一世を風びした「青ひび」といわれる貫入青磁も時代に取り残され、町は、少し寂しげでした。
 ところが、数年前から陶芸の里として整備が進み、大堀に活気が戻りつつあります。 その拠点が、2002年にオープンした『陶芸の杜おおぼり』(TEL.0240-35−4917)です。 今回は、この新物産会館にズーム・アップします。
 高瀬川のせせらぎに沿って建つこの施設には、窯元22軒の展示コーナー、登窯、茶室、陶芸教室などが併設。 ショッピング、見学、体験が一カ所で満喫できるのは、旅人に嬉しいかぎりです。 おススメ見学ポイントは、まず「走り駒」が描かれた外壁の陶板。 それに、意外なところで、・・・・トイレの手洗いが大堀焼ですよ。
 窯元散策のための遊歩道も、整備されたとか。 早春の大堀、水音に誘われて、のんびり歩いてみませんか。


3万人を集める「大せとまつり」は5月の連休に開催。
写真協力:浪江町産業振興課


「走り駒」が雄壮な、陶芸の杜外壁の陶板。
取材:2004年
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