陶芸用語 索引−「い,イ」

伊賀焼
イガヤキ
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伊賀国(三重県)産のやきもの。歴史は古く、天平年間(729〜49)阿山郡丸柱村で農業に付随して始まり、神酒容器や農具など日常雑器を焼いた。伊賀焼の特徴は、使用する粘土で、比較的大きな小石混じりの土で焼成されるところ。小石類は主として長石で、ときに石英も混入していてこれが特徴である石はぜとなる。一方細かな石英、長石は、燃料からの木灰と反応して灰釉となり、透明な萌黄色または白萌黄色の釉薬を呈する。天正12年(1584)伊賀領主筒井定次の奨励により古伊賀の真髄を伝える筒井伊賀の逸品を生み、次いで国主となった藤堂高虎とその子、高次が伊賀焼を再興し、藤堂伊賀が定着した。
鋳込
イコミ
泥漿鋳込成形法。泥漿(水と粘土を混ぜた液状のもの)を石膏の鋳型に注ぎ込んで成形すること。
石皿
イシザラ
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江戸時代から明治・大正期まで、街道茶屋で簡単な煮物などを盛る煮染め皿として用いられていた陶器またはb器質の皿。
石はぜ
イシハゼ
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素地の中にあった小石が焼成の際、その周囲に割れ目を生じて表面に現れたり、小石の表面が熔けて丸味を帯びて見えたり、膨れて半ば飛び出したりしたもの。
出石焼
イズシヤキ
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兵庫県北部出石町で焼かれる磁器。江戸時代、出石町の泉屋治郎兵衛と伊豆屋弥左衛門が土焼(つちやき)の窯を築いたことに始まる。その後、柿谷や谷山で良質の陶石を発見し磁器製造を開始。「白すぎる白」と呼ばれる白色の器肌の表面に彫刻を施す「白磁彫刻」によってパリ万博にも出品された。
柞灰
イスバイ,ユスバイ
柞の木の灰。柞の木は東日本ではイス、西日本ではユスという常緑樹。成分に炭酸カルシウムが多く、酸化鉄の含有量が少ないので磁器釉の媒溶剤として賞用される。
泉山石
イズミヤマイシ
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佐賀県西松浦郡有田町泉山に産する陶石。
板起こし
イタオコシ
へら起こしともいう。ロクロで成形したものを、回転を止めて竹べらで起こすように底部を離し取る法。
板谷波山
イタヤハザン
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1872−1963。茨城県出身、近代陶芸の祖。日本の陶芸を芸術の域に高めた最初の人物といわれる。東京美術学校(現東京芸術大学)彫刻科卒業。岡倉天心や高村光雲らに学ぶ。 20代の半ば本格的に陶芸に取り組む。釉の研究を行い、葆光(ほこう)釉を完成。その釉を使った「葆光彩磁珍果文花瓶(1917)」は近代陶芸作品で初めて国指定文化財に登録された。また、1953年陶芸家で初の文化勲章を受章。明治、大正、昭和と3時代に渡って活躍し、造形、彩色ともに完璧を期した格調高い作品を作り上げた。
イッチン
イッチン
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スポイトなどを用い、泥漿で器物に文様を盛り上げ描く技法。イッチン盛、イッチン掛ともいう。小鹿田、布志名、丹波立杭焼などによく見られる。
糸切
イトキリ
器物を成形後、轆轤から切り離す時、糸で引き切るが、その際、器物の底面に切断した痕の渦状の細かい線が残る。この痕を糸切という。茶入の場合、特にこの糸切が注目される。日本の轆轤は普通右回りで時計と同じ回転なのでその糸切の痕を右糸切とい言うが、中国および朝鮮の轆轤は回転が逆で左回りなので左糸切(唐物糸切)となる。
糸底
イトゾコ
本来は糸切のある底だけを指したが、今日では、やきものの底一般を糸底と呼称している。
井戸茶碗
イドチャワン
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李朝全盛期時代の朝鮮半島で焼成された高麗茶碗の一種。井戸は茶碗の首位にランクされ、高麗茶碗の王者として茶人の間に珍重され今日に至っている。
揖宿土
イブスキツチ
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薩摩焼素地の主原料。カオリン鉱物が主成分。
伊万里焼
イマリヤキ
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肥前国(佐賀県)伊万里湊を経て販売された肥前産磁器の総称で有田焼が主体。
伊羅保
イラボ
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高麗茶碗の一種。器の表面がイボイボ、また手触りがイライラしていることからこの名があるとされる。
色薬
イログスリ
色つきの釉薬。無色釉に顔料を混ぜて作る。
色鍋島
イロナベシマ
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肥前鍋島藩の御用窯である鍋島焼の主流である色絵磁器。
色見
イロミ
窯中の焼成の具合を調べるテスト品。
インチン(影青)
インチン
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青白磁のこと。白色半透明の薄い磁器に淡青色の透明釉の掛けてあるもの。その釉が器物表面の模様の凹部(影)に厚くたまり、他の部分より一層青く見える。これは釉中の微量の鉄分が還元炎を受けて青みを帯びたのである。

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