全国旅手帖きよし窯/砥部焼

きよし窯 [きよしがま]

砥部磁器発祥の地、
五本松で活動する窯元
「きよし窯」の建つ五本松エリアは「砥部焼伝統産業会館」から徒歩約20分程、窯元が集中するエリアの一つであり、砥部の磁器が誕生した歴史ある地です。
山に囲まれたのどかな風景の中、砥部焼の色ともいえる青と白のモダンなデザインの建物が見えてきたら「きよし窯」に到着です。
工房内は所狭しと並べられた製作中の器や作業中の職人さんたちで活気に溢れていました

有田で学んだ「和紙染」を現代風にアレンジ
柿右衛門や古伊万里で有名な磁器の本場・有田(佐賀県)で学んだ技法「和紙染」を現代風のモチーフやデザインに取り入れ、多くの作品を生み出している作家・山田ひろみさんに「和紙染」の作品ができる過程を見せて頂きました。
呉須を染み込ませた和紙を剥がすとしっかりと花びら模様が写し出されています。 うっすらと見える線は花びらに白い線を残すために陶画糊(ラテックス)でマスキングした部分です。熟練した職人さんがカッター一つで細かい部分まで素早く剥がしていきます。
陶画糊を剥がすときれいに白い線が残っているのが分かります。マスキングして残した白い線をさらに削り加工することでリアルな花模様が完成しました(写真右下)。


■2F/ギャラリー

下絵具を使って絵付けされているため、電子レンジも食器洗浄機も気にせず使うことができます。
外国の絵本の中に登場する「幸せの青いぞうさん」がモチーフに!


「きよし窯」独特の絵付け
種々の絵の具が混じり合い、ふんわりとした仕上がりになるのが特徴的です。
山田ひろみさんが研究を繰り返し辿り着いた技法は色を叩きながら重ねて一つの色彩面を作り出していくブラッシグ技法でした。色の重なりが美しく出るように黄色で下地塗りを施してからブラシで叩き込むように着色し、さらに皿の上で何色も色を足しながら叩くことでこのようなニュアンスを出しています。
様々なブラシを試してこのブラシに行き着いたといいます。何度も叩かれた跡が感じられますね。


■作家紹介―伝統工芸士・山田ひろみ

陶芸技法に捉われない独自に研究・開発した技法を用いる独特の絵付けが魅力。 「今までにない砥部焼を作りたい」と、伝統の和紙染に学び、またデザイン、絵画といった他ジャンルの技法も積極的に取り入れ自分流にアレンジ。
各ジャンルの技法の枠も飛び越えた新しい砥部焼作りを追及しています。
女性初の砥部焼伝統工芸士(加飾部門)に認定されています。
<略歴>1957年佐賀県大町町生まれ。九州造形短大デザイン科卒業後デザイン事務所入社。81年伝統工芸士・山田公夫氏と結婚しきよし窯での活動を開始。92年一級技能士に認定。98年伝統工芸士(加飾部門)に認定。
DATA
住所 愛媛県伊予郡砥部町五本松364
TEL 089-962-2168
OPEN 8:00〜17:00(11:45〜13:00昼休)
休業日 土曜午後、日・祝祭日、臨時休業有
料金 フリーカップ1,050円〜
アクセス JR松山駅・松山市駅から「大岩橋」又は「断層口」行きバスで約50分、「砥部焼伝統産業会館前」下車、徒歩15分。
URL http://ww81.tiki.ne.jp/~kiyoshigama/

※掲載情報は変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください


大きな地図で見る

飲むおんせん Veil