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−−今回からテーマが変わり、「香合」についてのお話を伺っていきたいと思います。
 茶の湯における香合の位置付けなどお聞きする前に、まず香の歴史や、基礎知識などを教えて下さい・・・・。

安藤●もともと香木は、日本には産しておらず、インドや東南アジア諸国から運ばれてきたもので、とても貴重であり、当然、非常に高価です。
 香そのものの歴史は非常に古く、聖徳太子(574〜622 飛鳥時代)の時代より以前から日本に伝わり、知られていたともいわれています。
 日本への最初の伝来としては、記録のうえでは、595年に淡路島に漂着したという「日本書紀」の記載が最初とされています。流れ着いた香木をそれとは知らずに島民が薪として燃やしたら、とてもいい香りがしたために朝廷に献上したのだそうです。すると聖徳太子は香(木)をすでに知識として知っていて、どういうものかというご説明があったのだそうです。

−−すると1400年も前から、香の文化が日本にはあったんですね。ですが貴重品ですから、身分の高い人たちの間でしか使われていなかった・・・・。

安藤●とても香りがよく、天下第一の名香として名高いのは、東大寺正倉院にある「蘭奢待(らんじゃたい)」です。別名を「東大寺」(雅名)といいます。「蘭」「奢」「待」という漢字のなかにはそれぞれ、「東」「大」「寺」という字が含まれています。
 これは奈良時代より前に日本に入ってきたと考えられていて、正式な名称は「黄熟香」(おうじゅくこう)といいます。このような、重さが12キロもあるほどの大きな沈香が正倉院に残されているのです。
 またこれを切って使った人・・・・足利義満、織田信長、明治天皇の名が、付箋によって記録されているのも興味深いです。

−−それは錚々たる人たちですね。確かに、天下第一の名香に相応しい人物が使っていた、というわけですね。

安藤●それとほとんど同じだといわれている、「大内(おおうち)」という香木があります。大内の意味は、つまり内裏、皇居のことを示しています。これが一番有名な香木ではないでしょうか。
(構成・編集部)


■INFORMATION  「紅心 小堀宗慶展」
●2010年 6月5日〜7月11日
●目黒区美術館 (東京都目黒区目黒2-4-36)
●TEL.03-3714-1201
◎茶道を極めた宗慶氏が選定した茶道具の名品、自ら制作した屏風、軸、花入などが出品される予定です。





「川喜田半泥子のすべて」展 開催スケジュール
●2010年 4月3日(土)〜5月30日(日)
 山口県立萩美術館・浦上記念館
●2010年 6月8日(火)〜7月25日(日)
 三重県立美術館
※銀座・松屋、横浜・そごう美術館での開催は終了
自画像 個人蔵
ロクロを挽く半泥子(1940年頃)

「織部黒茶碗 銘 暗香」
高8.4cm 個人蔵
「志野茶碗 銘 おらが秋」
高9.0cm 石水博物館蔵
「黒茶碗 銘 すず虫」
高10.2cm 個人蔵
「赤絵香合」
高7.0cm 個人蔵




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